ここでは大きめのげっ歯類の仲間、モルモット・チンチラ・デグーを紹介します。
モルモット・チンチラ・デグーはネズミやリスよりも大きい分、知能も高く、感情表現が豊かなのが特徴です。
いずれも暑さに弱く、とくにチンチラは適温が20℃前後なので、夏場はかなり冷房代がかかります。寒さにも弱く(とくにモルモット)、ペット用ヒーターなどでケージ内の温度を24時間保つ必要があります。
頭が良いぶん神経質で、ストレスで体調を崩すこともありますが、一度なつくと構ってほしくて飼い主を呼んだり、甘えてきたりと愛らしさたっぷりです。
モルモット(テンジクネズミ) | |||
臆病な半面、温和で賢くなつきやすいため扱いやすいですが、ストレスのかかる環境で飼育すると体調を崩しやすいです。 現在はペットとして改良され、様々な色や模様、長毛・短毛・巻き毛などの品種が存在します。 |
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ポピュラー度 | ★★★ |
そこそこポピュラーな小動物。小動物可の病院なら、大抵の場合診てもらえるようです。 |
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なつきやすさ | ★★★ | 飼い主によくなつき、なでてもらうと嬉しそうにしたり、単独飼いの場合はさびしがってしきりに鳴いて飼い主を呼んだりします。ただし臆病で警戒心が強いので、一度人間に嫌なことをされると、なつくのに時間がかかる場合があります。 | |
世話しやすさ | ★★ | ビタミンCを体内で合成できないなどの特徴があるので、ハムスター等より餌のバランスに気をつけてやる必要があります。トイレは部屋の散歩中は我慢できる個体が多いです。1畳以上のケージが用意できない場合は、部屋の中などで散歩させてあげる必要もあります。 | |
大きさ | ★★★ |
27-37cm、700-1300g ペットのげっ歯類の中ではかなり大型で、ゴールデンハムスターの数倍の大きさになります。 |
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静かさ | ★★ | 遊んでほしいときや餌が欲しいときに「ミューミュー」「キュイキュイ」などと鳴きますが、それほど大きな声ではありません。ただし怒ったときに「キーキー」と甲高い声で鳴くことがあります。 | |
夜 / 昼行性 | ★★ | 本来は夜行性の動物ですが、飼い主の生活パターンに合わせて寝起きすることが多いようです。 | |
暑さ耐性 | ★★ | 26℃ モルモットは暑さに弱い小動物です。 | |
寒さ耐性 | ★ | 17℃ 寒さにも弱いので、夜間の冷え込みに注意しましょう。 | |
ストレス耐性 | ★ | ストレスで下痢を起こしたり毛が抜けたりたりすることがあります。音に敏感ですが、普段から聞き慣れている生活音などは平気な場合が多いです。さびしさや運動不足などもストレスになり、体調を崩すことがあります。 | |
寿命 | ★★ | 5-8年 体の丈夫な個体だと大事に育てれば10年以上生きる場合もあります。 | |
多頭飼育 | ★★★ | 野生では雄1匹・雌数匹の群れで生活する動物です。寂しがり屋ですが、飼い主が構ってあげられるなら単独飼育でも大丈夫です。雄同士だと縄張り意識が強く、異性同士だと雌が頻繁に求愛し雌にストレスがかかる場合があるようです。多頭飼育の場合は雌同士で2頭程度が望ましいでしょう。仲良くコミュニケーションを取り合う様子を見られるのも楽しいです。 | |
繁殖しやすさ | ★★★ |
発情期:一年中、約16日周期 産子数:2~4匹 |
チンチラ | ||
美しい毛並みで有名なげっ歯類の小動物です。人間にもよくなつき、知能が高いためペットとしても適しています。 現在はワシントン条約で輸出入が禁止されていますが、国内でブリーダーが繁殖したものを飼育するのは問題ありません。 臆病でストレスを感じるとすぐに体調を崩す一方、病気に罹ることはあまりなく、大切に育てると長生きします。 優しく世話していると、やがて後をついてきたり、構ってほしがったりとよくなつきます。 夜行性で運動量が多く、ジャンプ力は1m近くに達します。 |
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ポピュラー度 | ★ |
名前は知られていても、ペットとしてはあまりポピュラーではありません。チンチラを診てくれる病院はあまり多くないので、いざというときのために事前に調べておくべきでしょう。 |
なつきやすさ | ★★★ |
モルモットやデグーと同様、人によくなつきます。抱かれることはあまり好きではないようですが、小さいときから慣らしていると抱いても大人しくしています。 |
世話しやすさ | ★★ | 毎日ケージから出して部屋を散歩させてあげられるような環境が望ましいです。ただし齧りぐせがあるので壁や家具がボロボロになったり、電気コードを齧って感電する危険があるので、散歩中は目を離さないようにします。トイレは覚えません。 |
大きさ | ★★★ |
23-33cm、400-600g 尻尾は15-20cm。ペットのげっ歯類の中では大型です。ケージ内だけでは運動不足となり、ストレスがたまることが多いです。 |
静かさ | ★★ | 普段甘えたりするときの鳴き声は「グーグー」「フゥフゥ」といったもので、近所迷惑にはなりませんが、環境の変化などでストレスを感じているときに「キーキー」と甲高い声で鳴く場合があります。 |
夜 / 昼行性 | ★ | 夜行性の動物です。たまに飼い主の生活パターンに合わせて朝に起き、夜に眠る個体もいるようですが、すべてがそうではありません。 |
暑さ耐性 | ★ | 24℃ チンチラはげっ歯類の中でもとくに暑さに弱いので、とくに夏場は夜も室温が上がらないよう気をつける必要があります。 |
寒さ耐性 | ★★ | 15℃ |
ストレス耐性 | ★★ | 運動不足や環境の変化等でストレスを感じると、下痢を起こしやすいです。 |
寿命 | ★★ | 10-15年 げっ歯類の中ではかなり長生きです。最長で27年生きた例もあり、長くつき合う覚悟が必要です。 |
多頭飼育 | ★★ | 社会性のある生き物ですが、相性が合わない場合もあり、多頭飼育の場合は兄弟、姉妹、親子での飼育が望ましいです。毛色の違う個体をいじめたりする傾向もあるので注意してください。 |
繁殖しやすさ | ★ |
発情期:一年中、30~50日周期 産子数:1~6匹 |
デグー | |||
デグーの特徴は高い社会性にあります。野生では5~10匹の群れで生活しており、コミュニケーションのために様々な音声を使い分けることから、「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれています。 外見は少し大きなハムスターに長い尻尾がついた感じです。尻尾は皮膚がむき出しのネズミの尻尾とは違い、ふさふさとした毛で覆われ、先の方が広がっていることからトランペット・テイルと呼ばれています。感情が高ぶると尻尾でパタパタと地面を叩いたりします。 |
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ポピュラー度 | ★ |
日本ではまだまだマイナーな動物で、日本語の飼育書はなく、何かあったときに診てもらえる病院も少ないです。毛色のノーマル(野生種)はペットショップにも流通しつつありますが、ブラック・ホワイト・サンドなどのカラーは日本では入手困難です。 |
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なつきやすさ | ★★★ | 飼い主によくなつき、なでてもらうと嬉しそうにしたり、単独飼いの場合はさびしがってしきりに鳴いて飼い主を呼んだりします。ただし記憶力がよいので、一度人間に嫌なことをされると、なつくのに時間がかかる場合があります。 | |
世話しやすさ | ★★ | 回し車などの設備が整っていれば、ケージから出して散歩させてあげなくても大丈夫な場合が多いです。単独飼育でさびしがり屋の性格の場合、毎日構ってあげる必要があります。トイレはほとんど覚えません。 | |
大きさ | ★★ |
12-20cm、170-400g 尻尾は7-13cm。ゴールデンハムスターより若干大きいくらいです。 |
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静かさ | ★★ | よく鳴きますが、普段の「おしゃべり」は小鳥程度の大きさで、近所迷惑にはならないでしょう。ただしびっくりしたときなどに発する警戒音声は甲高くそこそこ響きます。とくに幼い個体や人に慣れていない個体は、少しのことでびっくりして警戒音声を発することがあります。 | |
夜 / 昼行性 | ★★★ | 昼行性の動物です。 | |
暑さ耐性 | ★ | 25℃ デグーは暑さに弱い小動物なので、夏場は十分に注意してください。 | |
寒さ耐性 | ★★ | 15℃ | |
ストレス耐性 | ★★ | 寂しさやケージの狭さ等でストレスを感じると、下痢を起こしたり自分で自分の毛をむしったりします。 | |
寿命 | ★★ | 4-9年 環境が良いと10年以上生きる場合もあり、14年という例もあります。 | |
多頭飼育 | ★★★ |
本来群れで行動する動物なので、一匹でいることはストレスになります。単独飼育の場合、群れの仲間の代わりに飼い主に依存するので、十分に構ってあげる必要があります。多頭飼育だと、毛繕いし合ったり鳴き交わしたりといった行動が見られて楽しいです。複数で飼育する場合は、姉妹で2~3匹か、雄1匹に雌複数が理想です。雄同士は、兄弟だとうまくいくこともありますが、縄張り争いが起きることも多いようです。 |
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繁殖しやすさ | ★★ |
発情期:一年中、約1ヶ月周期 産子数:1~10匹 |